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『寄港地「秋田」の魅力をお届け!AKITAクルーズレポート』第3

   『クルーズ船受入環境整備』

 
 みなさん、こんにちは!
 第2話では、世界と日本のクルーズ市場や経済効果より「なぜクルーズ船受入環境に力を入れ始めたのか」についてお伝えしました!3話では、秋田県秋田港を例に「クルーズ船受入環境整備」についてにお伝えしたいと思います!

 

1.あきたクルーズ振興協議会

 2017321日、クルーズ船の誘致や寄港回数の増加、クルーズ船受入環境整備などを目的に「あきたクルーズ振興協議会」が設立されました。秋田港におけるクルーズ船受入環境整備は秋田港港湾管理者である秋田県が中心となって行われています。

 

2.防舷材・係船柱の整備

  次は防舷材と係船柱についてです。
 
防舷材・係船柱とは船が接岸する時に必要なものです。

  防舷材・・・船体と岸壁の損傷を防ぐために、岸壁に設置されている緩衝材 (写真-1参照)

  係船柱・・・船舶を岸壁に係留するため、また係留中に船舶が岸壁から流されることを防ぐために、岸壁に設置された柱(写真-1参照)

 秋田港には以前から防舷材・係船柱は設置されていましたが、大型のクルーズ船寄港を新たに受け入れる為に機能増加が求められたことから、2018年に防舷材と係船柱が新しくなりました。これによって、20181024日と112日に寄港したMSCスプレンディダ(137,936トン級)などの大型のクルーズ船も寄港可能となりました。

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写真-1 防舷材と係船柱

 

3.クルーズターミナル

 次にクルーズターミナルについてお伝えします。
 
秋田港のクルーズターミナルは2018418日に供用を開始しました(東北初供用)。ターミナル供用開始前は、仮設テントを設置し観光案内や地場産の販売を行っていましたが、クルーズ船の寄港回数が増加していく中(-1参照)、仮設テントでは雨風を防げるスペースが無いなどという課題がありました。そこで、国の「地方創生拠点整備交付金」を活用し、中島ふ頭にクルーズターミナルを整備しました。ターミナルの供用により、雨風などの天候に関係なくクルーズ旅客を迎え、おもてなしをすることができます。また、屋根付き歩行者用通路を整備したことで、雨天時でも濡れることなくバスに乗降することができます。クルーズターミナル付近にも大型バス駐車場(写真-4参照)も整備されており、クルーズターミナル周辺ではバスの移動がスムーズに行うことができます。


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                                  写真-2 クルーズターミナル


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  図-1 クルーズ船寄港回数(秋田港)

   

4.秋田港クルーズ列車

 次は秋田港クルーズ列車(写真-3参照)についてです。
 
秋田港クルーズ列車はあきたクルーズ振興協議会とJR東日本秋田支社が協力し既存の路線を活用し開設した、秋田港駅-秋田駅間(8.9km)(-2参照)を結ぶ列車です。2018418日に日本初!となるクルーズ列車の本格運行が開始しました。このクルーズ列車はクルーズ船寄港時、クルーズ旅客の2次交通確保のために整備されたものです(一般的にクルーズ旅客の移動手段はバスですが、竿灯祭り期間中などはバスの確保が難しいのが現状)。クルーズ列車本格運行にあたり、各機関との調整(秋田港駅-土崎駅間は貨物専用路線のため旅客列車が走行するための様々複雑な手続きが必要であった)やトライアル運行(2017年竿灯祭り期間中)など行いました。


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写真-3 秋田港クルーズ列車


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-2 秋田港クルーズ列車ルート図及び所要時間

 

クルーズ列車のメリットは到着時間が正確(バスなどと違い渋滞がないため)車内での行動の自由度が高い1回の運行で多くの旅客の輸送ができる(写真-3の「あきたクルーズ号」は1度に140(着座定員)輸送可能)などがあげられ、2018年は10日間運行し、3,631(上下線含む)が利用しました。その利点をPRし秋田港クルーズ列車を活用した鉄道中心のオプショナルツアーなどが提案されています(オプショナルツアーについては第1話を参照)

 

5.最後に

 第3話となる今回は、秋田港を例にクルーズ船受入環境整備について書かせていただきました。秋田港ではクルーズターミナルなどの新たな施設に加え、秋田港周辺の既存インフラである臨海鉄道を活用したクルーズ列車の整備により、先進的な事例として注目を集めています。

 
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   写真-4 クルーズ船受入環境整備(秋田港)

 

 最終話となる第4回は、秋田港を例に「クルーズ旅客へのおもてなし・クルーズ船受入環境を踏まえた将来計画・2019年度クルーズ船寄港予定」をお伝えします。

 

☆===============3POINT===============☆

秋田港では東北初のクルーズターミナル、日本初のクルーズ列車の運行

などによるクルーズ船受入環境整備を行っています!

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