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八戸港の復興状況と今後の事業展開について

 東日本大震災から5年の歳月が経過しました。八戸港の現状をお伝えするとともに、八戸港湾・空港整備事務所長よりご挨拶申し上げます。

                      
 

          東日本大震災から5年の節目を迎えて           img_chiba-01.JPG

国土交通省東北地方整備局        

八戸港湾・空港整備事務所        

所 長 千 葉 忠 樹        

挨拶

 平成28年3月11日で未曾有の東日本大震災から5年が経過いたしました。

被災地の復旧・復興およびまちづくりに確かな歩みが見られますが、今なお避難生活を余儀なくされている多くの方々がおられます、この5年を振り返っても、我が国では火山噴火、土砂災害、水害や台風など自然災害が頻発して尊い命が奪われています。このような災害で亡くなられた方々に対し改めてお悔やみを申し上げるとともに、被災地の皆様が一日も早くふるさとでの生活ができるよう心からお祈り申し上げます。

さて、八戸港湾・空港整備事務所では、被災した東北の太平洋側港湾の中でいち早く防波堤の早期復旧を成し遂げました。この震災の記録を風化することなく後生に伝え、港湾の災害対応の教訓を踏まえ、災害対応力の向上に努め、八戸港が更なる飛躍を成し遂げるために計画的かつ効率的な事業を展開して参ります。

 

東日本大震災の復旧・復興状況について

八戸港は、東日本大震災で発生した津波により大きく被災しました。特に八太郎地区の北防波堤の被害が甚大であり、総延長3,500mのうち、約1,400mが決壊しました。陸上においても、埠頭の上屋や倉庫、荷役機械の損壊、さらには、臨海部の立地企業も、浸水による甚大な被害を受けました。

 北防波堤の決壊は、岸壁の浸水や係留ロープの切断などの荷役障害を発生させ、八戸~苫小牧間のフェリーが一時青森港へのシフトを余儀なくされたほか、コンテナ取扱量の激減、さらには、飼料コンビナートの被災による配合飼料の供給不足のため、北東北の畜産業に大きな影響を与える結果となりました。

 このため、八戸港湾・空港整備事務所としては、他港に先駆けて平成23年6月には本格復旧工事に着手し、『むつ小川原港のケーソンヤード』など、持てる力を総動員して早期完成に努めました。その結果、八戸港における災害復旧事業は、平成25年9月をもって発災から2年6ヶ月という短期間で無事完了することができました。また、青森県は防潮堤整備事業に着手し、津波防災対策を進めております。

震災時に急激に落ち込んだ取扱貨物量も現在では震災前の水準を凌ぐ伸びとなっており、なかでもコンテナ貨物については、平成27年の取扱量が5万8千TEUを越え、過去最高の取扱量を記録し、今後も着実に増加していくものと期待されております。

 

事業継続計画(BCP)策定について

東日本大震災では、太平洋側港湾で停止した物流機能をバックアップするため、秋田港や酒田港など日本海側港湾を利用した物流を展開しました。

今後、大規模災害が発生した場合でも、迅速に企業活動が再開できる仕組みを平常時から構築しておくことは極めて重要であります。

今回の東日本大震災における被害の教訓を受け、臨海部立地企業においても事業継続計画を策定する動きが活発化しておりますが、八戸港では全国に先駆け、平成25年3月に『八戸港BCP』を策定、また同年6月には『八戸港港湾機能継続協議会』を設立し、関連する行政機関や港湾関係者が一丸となって、港湾施設等が被災し物流機能が停止した際に迅速に機能回復を図るための様々な取り組みを行っております。また、平成28年3月に『むつ小川原港BCP』を策定し、青森管内重要港湾におけるすべてのBCPが揃いました。

 

今後の飛躍に向けた八戸港の取組みについて

 震災復興においてエネルギーは欠かせないものであり、震災以降、東北地域の港湾背後においてエネルギー関連産業の目覚ましい設備投資が進んでいます。 

八戸港においても、ポートアイランドに建設を進めていた『八戸LNGターミナル』が、平成27年4月から本格操業を開始しました。LNGは、マレーシア・オーストラリアなどから輸入し、将来、年間80万トンの受け入れが予定されており、北東北及び北海道道東地域へのLNG供給拠点として重要な役割を担うとともに、地域経済活性化の起爆剤となることも期待されております。

 観光面では、平成26年7月12日種差海岸に『種差海岸インフォメーションセンター』が開設されるなど、八戸港周辺域は三陸復興国立公園における北の玄関口としての役割がますます高まっており、当事務所としても“みなと”を起点とした観光振興にも積極的に取り組んでいきたいと考えております。

 

最後に

東北沿岸の被災地では様々な問題が山積しており、完全復興へは道半ばといったところですが、一方で多くの分野で東北全体の復興に向けた息吹が見られております。八戸港湾・空港整備事務所としてもしっかりとこの動きを後押しできるよう、まずは八戸港、むつ小川原港の更なる利便性の向上、安全・安心な物流機能確保のための港湾整備を推進していくとともに、地域経済の発展、ひいては東北全体の発展に寄与するため、港湾関係者の皆様と協働し、地域のニーズにあった事業を展開して参りたいと考えています。

 

   

被災復旧状況について

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八戸港の被災写真はこちら ⇒ camera.png 復旧工事写真はこちら ⇒ camera.png

 

 

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