震災から4年

東北地方太平洋沖地震及びそれに伴う大津波により、太平洋側の港湾では防波堤の倒壊、岸壁の損傷等の甚大な被害を受けました。
この未曾有の震災から4年を迎え、東北港湾の今を「復興最前線」として紹介します。
今回は「東日本大震災災害復旧事業における当面の作業予定」の最新情報を掲載します。

震災から4年を迎えて

東北地方整備局港湾空港部長

〈挨拶〉

平成27年3月11日で未曾有の東日本大震災から4年が経過いたしました。
今なお厳しい環境の中で過ごされている方が多数おられます。震災で亡くなられた方々には改めてお悔やみを申し上げます。東北地方整備局港湾空港部では、今後、1日も早い復旧・復興事業を展開して参ります。

 港湾空港部長 諸星 一信

〈東日本大震災の復旧・復興状況について〉

 震災時には東北の太平洋側港湾の全ての岸壁が被災し、物流機能が停止しました。その後、早急に港湾関係の復旧・復興事業を進め、平成26年末で岸壁の約97%が利用可能となりました。また、防波堤についても八戸港ではほぼ全壊となりましたが、震災後約2年半で全て復旧完了しました。現在は、釜石港、大船渡港、相馬港で防波堤の復旧工事を鋭意進めており、釜石港、相馬港は平成29年度、大船渡港は平成28年度までに復旧完了とする予定です。
 港の活動につきましては、震災当時は港湾施設が被災し、港が使えない状況となったことから、取扱貨物量は落ち込みました。一方、港湾施設の早期復旧とともに港湾活動が再開し、港湾関係者の皆様の努力により、現在は、震災前を超える水準まで回復しています。但し、建設資材等の復興関係貨物を除くと、まだ震災前までは戻っておらず、特に飼料や水産関係の貨物は回復していません。また、港湾背後の立地企業が大規模に被災し、被災跡地への企業立地が進んでいない状況があります。今後はこれらの土地利用も含めた産業復興についても、鋭意進めて行かなければならないと考えています。


〈港湾と地域産業の繋がりについて〉

 今回の震災により、港湾が使えない状況になったことから、改めて企業活動における港湾の役割、重要性が再認識されたものと考えます。企業活動はサプライチェーンにより成り立っており、津波による直接的な被災や物流の寸断により、地域の産業や経済へのダメージのみならず、世界経済にも大きな影響を与えるものとなりました。これを受け、企業においても事業継続計画(BCP)を策定する動きが活発化しております。
 東日本大震災では、太平洋側港湾のバックアップ機能として、秋田港、酒田港など日本海側の港湾が活躍しました。今後、また大きな災害が発生した場合でも、早急に事業活動が再開できる仕組みを確保することは極めて重要あり、現在、東北管内各港において港湾BCP(事業継続計画)の作成を進めています。港湾は「企業活動の生命線」としての役割を担っていかなければならないことから、港湾BCPの活動を通じて、しっかりとした対応を行っていきたいと考えています。


〈今後の復興に向けた東北港湾の取組みについて〉

 震災復興においてエネルギーは欠かせないものであり、震災以降、港湾背後においてエネルギー関連産業の目覚ましい設備投資が進んでおります。石炭関係では小名浜港において大水深耐震強化岸壁の整備に着手しました。LNG関係では八戸港において大型LNG船の第一船が入港し、相馬港においても地域の拠点となるLNG基地の整備に着手しております。また、最近注目を集める再生可能エネルギー関係では、秋田港、能代港などで風力発電の計画が進行するなど、港湾空間を活用したエネルギー関連の旺盛な動きが多く見られております。
 観光面では、近年クルーズ船の寄港回数が大幅に増加しており、平成26年では、青森港が東北最大の年間20隻、東北全体で56隻が寄港しております。今後も更なる発展が期待される分野であり、クルーズ観光は東北の良さを活かす、地域全体の活力醸成につながるものと考えています。また、松島湾など太平洋側沿岸の広範囲が津波により大きく被災したことで、豊かな海藻等の環境資源を失いました。一方、海域環境の再生に向けた取組みについても、地域が発起する形で、地元の人々と連携しながら前向きに進められております。
 多くの分野で東北全体の復興に向けた息吹が見られており、東北地方整備局としてもしっかりとこの動きを後押しできるよう、今後も、港湾関係者の皆さまと協働し、地域のニーズにあったハード・ソフト対策を展開して参りたいと考えています。


八戸港 北防波堤の全ケーソン据付完了
 

 

仙台塩釜港 高砂ふ頭の被災・復旧状況
 

 

被災港湾の取扱貨物量の推移

              

 

被災港湾の代替機能を果たした日本海側港湾の取扱貨物量の推移

              

 

みなとの復旧・復興状況

被災時の状況

参考(震災後の対応)