東北の港湾の復旧・復興状況 ~復興最前線~

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東北港湾の5年間の復旧の取組とこれからの復興に向けて

 改めまして、震災で亡くなられた方々にお悔やみを申し上げるとともに、被災され今なお厳しい環境の中で過ごされている方々にお見舞い申し上げます。


 集中復興期間の5年間がまもなく経過いたしますが、私どもは、港湾の整備・利用及び保全を通じ、「復旧・復興の加速」、「安全・安心な地域づくり」、そして「地域の活性化」を柱に取り組んで参りました。この5年間の取り組み、そして今後の取り組みを、本サイトでご紹介して参ります。


 東日本大震災では東北太平洋沿岸に所在する港湾に甚大な被害を生じ、一時的に全ての港湾機能が麻痺しましたが、航路啓開など応急復旧により、発災から5日で救急物資、ガソリン・灯油などの受け入れが可能となりました。その後、復旧・復興方針に基づき、当局では港湾管理者等とともに港湾施設の復旧工事に取り組んでおり、大規模な3防波堤を除き、主要な岸壁及び防波堤は平成25年度内に復旧できました。なお、それ以外の港湾施設や防波堤で復旧途上のものがあり、各港湾管理者・海岸管理者が鋭意復旧工事中です。


 港湾施設の復旧に伴い、日用品や食料等はもちろんのこと、企業活動に必要な原材料及び製品の輸送により、雇用や地域経済など再びストック効果を発揮しています。また、港湾によっては地域の復旧工事で使用される工事用資機材の輸送基地、またストックヤードや作業基地としての役割も果たしています。


 港湾の回復状況を港湾貨物で見ますと、太平洋沿岸の被災4県の港湾取扱量は全体貨物量では平成25年には震災前の水準までほぼ回復しています。またコンテナ取扱量は平成27年速報値で仙台塩釜港仙台港区、八戸港及び釜石港で過去最高を記録しています。品目別で見ますと復旧関連貨物(セメント、砂利・砂、住宅用建材、リサイクル貨物等)や火力発電用燃料のほか、円安及び北米市場の景気回復に伴う製品輸出などが増加要因となっています。これらの品目からも、港湾が災害復旧を支え、また地域経済を支えていることがわかります。


 震災を教訓とした新たな取り組みも行っています。非常災害時にも港湾機能の確保と迅速な回復が必要不可欠であることが再認識され、東北の主要な港湾毎に港湾機能継続計画(港湾BCP)を策定しました。さらに、広域かつ重大な大規模災害の場合には、相互でバックアップ機能を果たすなど東北全体で必要な港湾機能を確保するとともに早期に回復していくため、東北港湾機能継続計画(東北広域BCP)を策定し、これらが機能するよう今後訓練等を実施することとしています。このほか、防波堤の災害復旧にあたって、津波による強い外力を受けた場合にも転倒・流出による機能喪失せず一定の効果を発揮し続けられるよう粘り強い構造を採用しています。また、津波避難や発災後の対策に活かせるようGPS波浪計の観測情報を自治体に配信する津波防災支援システムの構築など、ハード・ソフト両面での災害対応力強化に取り組んでいます。


 復旧に留まらず震災後に新たな港湾関連プロジェクトがいくつか動き始め、一方で復興道路・復興支援道路の整備等も踏まえ、東北地域で港湾の果たすべき役割と港湾の将来像を「東北港湾ビジョン-行動する東北!ACT構想-」として平成27年3月にとりまとめ公表しています。今後は本ビジョンを踏まえ、太平洋側と日本海側の2軸をフル活用した物流拠点機能の強化と強靱化を図りながら、石炭やLNG等エネルギー輸入拠点形成、宮古港フェリー航路開設実現、日本海航路による物流ルート形成、クルーズ客船誘致、農林水産品・食品の輸出促進、みなとオアシスを活かしたみなとまちづくり、人工干潟やアマモ場造成による海域環境改善と賑わい創出、洋上風力発電導入など港湾管理者をはじめとした港湾関係者と連携して取り組んで参ります。


 以上、港湾の復旧から復興に向けた取り組みの概要を説明致しました。詳細な情報は、この特設サイトに掲載していますので、ご覧頂きたいと思います。

港湾空港部長 中島 洋