東日本大震災から5年を迎えて


三陸沿岸地域に甚大な被害をもたらした東日本大震災から5年の経過を迎えるにあたり、あらためて犠牲になられた多くの御霊に哀悼の意を表するとともに、未だに震災の影響で不自由な生活を強いられている多くの皆さま方に心よりお見舞いを申し上げます。

この5年間に、被災地の復旧、復興に多くの力が注がれて参りました。私ども釜石港湾事務所でも、国の重点施策として、釜石港、宮古港、大船渡港、久慈港の復旧・復興事業に、最善を尽くして参った所存です。

被災地の姿も少しずつ、変化してきていると感じています。ただ、被災の状況、復興の手法などによって、復興の状況は地域によって少しずつ異なっていると思います。それぞれの地域が、それぞれの考え方で早期の復興を実現できるよう、私どもも、国の機関として引き続き力を尽くして参ります。

多くの関係の皆さま方のご理解ご協力により、おかげさまで釜石港の湾口防波堤も、大船渡港の湾口防波堤も、復旧事業の完了時期が見えて参りました。また、久慈港の湾口防波堤も復興事業として重点的に整備を進めることができています。

釜石港では、コンテナ取扱量が過去最高を記録し、新規航路開設の動きもありました。宮古港関連では、室蘭港との間の新規フェリー航路の就航が発表されました。久慈港では、新たな発電事業の拠点化が展開されています。このような兆しを地域の復興に繋げていくことが大事だと考えています。

震災後5年の節目を迎え、私ども釜石港湾事務所の使命である釜石港、宮古港、大船渡港、久慈港の復旧・復興事業を安全、円滑に実施して参りますことを、あらためて、お誓い申し上げます。復興に求められるスピード感をもちつつ、国の機関としての中長期的な視点を大切にしながら、地域の皆さんとともに一歩ずつ復興の歩を進めて参ります。


平成28年3月11日
釜石港湾事務所長  小 澤  敬 二