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東日本大震災から10年を迎えるにあたり

更新日:2021年3月19日

東北地方整備局小名浜港湾事務所長榊原 基生

2021年3月11日で東日本大震災の発生から10年が経過します。

この日を迎えるにあたり、お亡くなりになられた方々に改めて哀悼の意を表します。また、ご遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々に対し心からお見舞いを申し上げます。

東北地方整備局 小名浜港湾事務所では、福島県はもとより、東北の復旧・復興に資するため、重要港湾の小名浜港及び相馬港における復旧・復興関連事業に全力で取り組んで参りました。

東日本大震災からの復旧に関する取組みについて

小名浜港及び相馬港では、ほぼ全ての岸壁が倒壊・沈下、また、相馬港では防波堤の9割以上のケーソン(土台)が転倒するなどの甚大な被害が生じ、港湾機能が一時停止しました。

その後、港湾利用企業など関係者の皆様と協議しながら復旧工事を進め、2012年3月に小名浜港、2013年3月までに相馬港のすべての岸壁が復旧。2018年3月には相馬港の防波堤が復旧し、相馬港の復旧完了をもって、小名浜・相馬両港全ての災害復旧事業が完了しました。

復興に関する取組みについて

東日本大震災では、港湾機能が一時停止したことにより経済活動や市民生活に著しい影響が生じ、改めてその役割や重要性が認識されました。

震災の経験を風化させず、災害に強い港づくりを進めるため、2016年3月には小名浜港及び相馬港において関係者が連携し、港湾の事業継続計画(港湾BCP)を策定しました。港湾BCPについては、策定のみならず、継続的に改善・レベルアップしていくことが大切であり、訓練の実施などを通じて、関係者と「災害に強い港づくり」の共通意識の醸成をはかりつつ、災害対応力の向上に努めて参ります。

 小名浜港

震災直後の2011年5月に国際バルク戦略港湾(石炭)に選定された小名浜港では、バルク戦略港としての機能を最大限に発揮すべく、新たな国際物流ターミナルとして小名浜港東港地区(人工島)の整備が進められました。2018年9月に、石炭を取り扱う公共岸壁としては国内最大級である水深18m岸壁の整備が完了し、2020年10月に大型石炭運搬船の入港に合わせ「小名浜港国際バルクターミナル供用式」を開催しました。

また、水深16mの航路・泊地の整備など、国際バルクターミナルの全施設の完成を目指して、福島県及び民間事業者と連携しながら事業を進めるとともに、安定した荷役作業及び航行船舶の安全を確保するために沖防波堤及び第二沖防波堤の延伸を進めて参ります。

相馬港

相馬港では、新たな液化天然ガス(LNG)基地が2018年3月より操業を開始し、隣接地に整備されたLNG火力発電所が2020年4月に営業運転を開始しました。また、相馬福島道路の完成間近に伴う、アクセス性や利便性の向上が期待されています。

一方、相馬港で震度6強を観測した2021年2月の福島県沖の地震など、近年の自然災害の激甚化に伴い、全国的に更なる国土強靱化が求められる状況にあります。

このような社会情勢のニーズに応えるべく、港湾整備を確実に進めて参ります。

復興・創生期間のその先を見据え、復旧・復興した港のポテンシャルを最大限発揮し、地域経済の発展の貢献できるよう、引き続き地域の皆様と共に取り組んで参りますので、今後とも、当事務所が進める事業に関し、ご理解・御協力を賜りますようお願いいたします。