H25.6.13  技術開発課
技術発表会(PAT)にみる技術開発の動向

 平成16年から始まった技術発表会(PAT)の発表テーマは平成24年度までで116項目に上ります。
 これを系統立ててみると、一つの技術の動向が窺えます(indexrink.htm)。
 発表項目別では、築造工法が全体の32%を占めていてその中では、岸壁改良・築造は全体の7%と少なく、地盤改良・地中壁工法が全体の16%と大勢を占めています。
 マテリアル、維持、環境、構造形式、防災の5項目はいずれも10〜15%と同様な発
表割合です。意外と少ないのは施工管理にかかる発表で2%(2件)しかありません。
 

 調査・観測・解析は汎用的な調査・観測・解析の区分以外に、各分類項目に含まれているものもあり、これらを総計すると、全116件中29件と25%を占めています。築造工法、構造形式、施工管理、マテリアルの項目での調査・観測・解析の発表が0件なのは、その分類の性格上、妥当と思われます。


 調査・観測・解析の中でも多いのは、今後大きな比重を占めることが想定されていて、
従来手法が確立されていない予防保守で、維持保全工法もさることながら、まずは入り口である調査・観測・解析方法の確立を模索している状況が窺えます。

 海上の築造工法及び施工管理についての発表が少ないのは、公共事業費削減の中では、海上の新規工法を生み出す動機が弱いことと、海上作業では、地中の地盤改良工法等と異なり、厳しい環境での施工などの新しい需要に対しては構造形式の工夫の方が効果が高いためと思われます。

 当発表会は「技術発表会」の形式をとっているので、比較的新しい技術の発表が寄せられています。発表の新技術の一つ一つをみると独自性のあるすばらしい技術が並んでいるのがわかります。しかしながら新技術の活用の観点から考えると、1つの新技術だけではなく他の技術との連携や、構造形式、設計への反映などシステム全体として動き出すようプロデュースする役割の必要性が感じられます。
 新技術の実用化にあたり、少しでもお役にたてればと思いますので、ご相談がありましたら、お気軽に仙台港湾空港技術調査事務所技術開発課佐藤(022−791−2113)までご連絡ください。
 ※留意事項;当発表資料は著作権が各発表者にあるため転載不可です。その他の著作権の扱いは、http://www.pa.thr.mlit.go.jp/sendaigicho/privacypolicy/によります。

〔分類方法〕
  分類方法は、目的別を優先し、
    中分類として、次を設けた
      設計法、手順法
      調査・観測・解析
      工法
  大分類以下の分類レベルは項目の数が多ければ分を類追加する可変分類方式とした。