東北港湾の技術開発ビジョン/3.技術開発の目標・課題
3.3技術開発課題・項目

 前述した技術開発目標から課題を設定し、これらの課題を解決するために必要な技術開発の重点項目を以下に示します。

目標I.みなとの静穏度と安全性の向上に向けた技術開発
東北各港の連携による広域活用港湾の実現と、各地域のみなとが抱える問題の改善のために、従来以上の荷役稼働率の向上や、地震に伴う津波被害からの防護など自然災害に強い安全な港湾を目指して、以下の課題を設定します。

<課題> 港湾の新しい姿を実現するための先駆的取り組み
(項目) ●長周期波対策技術の開発
●港内の暴風対策技術の開発
●経済的・効果的な防波堤断面構造の開発


目標II.既存施設の有効活用に向けた技術開発
東北の多様な自然と調和する環境・安全港湾の実現と、各地域のみなとが抱える問題の改善のために、既存施設を活用した緊急時防災拠点の形成や、老朽化対策としての補修・補強技術の確立を目指して、以下の課題を設定します。

<課題> 港湾施設の既存ストックの活用
(項目) ●既存施設(防波堤等)改良技術の開発
●航路等の埋没対策手法技術の開発
●老朽化岸壁等のリニューアル技術の開発


目標III.海域環境の保護に向けた技術開発
東北の沿岸域が持つ美しい自然の保全・継承のために、港湾を活用した海域環境の保全・回復・創造として、重要課題である閉鎖性海域の水底質環境の改善などを目指して、以下の課題を設定します。

<課題> 良好な沿岸域環境の継承と創造
(項目) ●自然エネルギー等を活用した海水交換・水質浄化技術の開発
●リモートセンシング技術活用システムの開発


目標 IV.ゼロエミッションに向けた技術開発
産業活動と一体化した海上輸送ネットワークの実現と、地域が主役となる市民連携港湾の実現のために、静脈物流拠点の形成と地域資源を活かした経済活性化への支援を目指して、以下の課題を設定します。

<課題> 循環型社会への対応
(項目) ●再生資源利用促進技術の開発


目標 V.港湾景観の形成・回復に向けた技術開発
これまでの施設整備により、結果的に沿岸域の人々の暮らしと海が分断され、海に対する意識が薄らいできています。今後は、その対策のために、地域と調和した港湾景観の回復を目指して、以下の課題を設定します。

<課題> 地域と調和する港湾・海岸づくり
(項目) ●景観を考慮した構造形式の開発


目標 VI.次世代の建設現場に対応した技術開発
今後は、港湾工事の沖合化による、大水深での作業の増加、潜水士の高齢化・減少等に対応するため、機械化施工の高度化を目指して、以下の課題を設定します。

<課題> 調査・施工等の省力化・自動化
(項目) ●水中施工機械の高度利用技術の開発

図3.技術開発の理念・目標・課題
図3.技術開発の理念・目標・課題



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