アマモ場再生活動への取組

アマモって何?

 アマモとは海草の一種で、波が穏やかな、太陽の光が届く浅い砂地の海辺に生えます。

 アマモがたくさん生えている場所を「アマモ場」と呼びます。「アマモ場」は小さな魚の隠れ処になったり、魚やイカの産卵する場所になります。そのため、「海のゆりかご」とも呼ばれます。

アマモ場の役割

 アマモ場は、魚だけでなく、海の環境をよくする働きもしています。

  • 光合成をして酸素を作ってくれる
  • 海の水や海底の泥をきれいにしてくれる
  • 波や流れを穏やかにして海の濁りをおさえてくれる
    また、最新の研究では海の中の二酸化炭素を吸収することがわかってきて、地球温暖化を防ぐ役割にも注目が集まっています。

東日本大震災でその大半を消失した松島湾のアマモ場

 日本三景のひとつである松島湾は、多くの島々により守られる波が穏やかな海で、縄文時代からアマモ場が広がっていたと言われています。

 湾内に広がるアマモ場や干潟は豊かな海の恵みをもたらし、今も昔も変わらず私たちの暮らしを支えています。

 しかし、松島湾のアマモ場は、東日本大震災で発生した津波によりほとんど流されてしまいました。そのため、アマモ場で暮らしていた生き物たちは棲み処を失い、私たちの生活にも大きな影響を受けました。


出典:佐々木久雄ほか、「松島湾の藻場の津波被害状況とその修復手法」、第3回松島湾海域環境復興を考えるシンポジウム資料より作成

松島湾の再生に向けて

 松島湾の海辺で暮らし働く人達たちは、1日でも早くアマモ場が再生し、松島湾の海辺が以前の豊かさを取り戻すことが、松島湾の復興につながると考え、松島湾のアマモ場を再生しようと「松島湾アマモ再生会議」をつくりました。

 塩釜港湾・空港整備事務所においても後援として、この活動に参加しています。

アマモ場再生活動への取り組みと全国への発信

【具体的な活動】
 アマモ場再生に向けて、大学や研究所の専門家による震災後の松島湾の環境やアマモ場の様子を調査が行われているほか、多くの人たちに震災後の松島湾の海辺について知ってもらうために、そして海が怖いという気持ちを少しでも和らげるために「親子で学ぶ松島湾の海辺」・「花枝(種)採取会」・「アマモの移植と砂浜つくり」などのイベントも行われています。
全国アマモサミットの開催
 平成25年10月、松島湾アマモ場再生会議のみなさんが、日本各地でアマモ場の再生活動をしている仲間が集まる「全国アマモサミット」が塩竃市で開催し、多くの方々とアマモ場再生の進め方について議論しました。令和元年11月には、全国で初めて塩竃市での複数開催となり、今まで活動してきた結果やこれからの展望を発表しました。
松島湾の未来のために
 松島湾では、松島湾アマモ場再生会議や東松島市の人たちだけではなく、ひとりでも多くの人が再生活動に参加することで、いのち豊かな松島湾の再生が進みます。
 1日でも早く、松島湾が以前の豊かさをとり戻すようにみんなでいっしょにがんばっていきましょう。