東日本大震災から6年を迎えて

 甚大な被害をもたらした東日本大震災から6年の経過を迎えるにあたり、あらためて犠牲になられた多くの御霊の哀悼の意を表すとともに、未だに震災の影響で不自由な生活を強いられている多くの皆さま方に心よりお見舞いを申し上げます。

 さて、塩釜港湾・空港整備事務所では仙台塩釜港と仙台空港において東日本大震災震災の復旧事業を2013年度で完了し、引き続き復興事業に取り組んでいます。

 仙台塩釜港仙台港区では、完成自動車、米穀類、製材、セメント、紙パルプ等の貨物が手狭なふ頭内に混在しているため、ふ頭用地の確保が必要となっており、また、岸壁は穀物等バルク貨物の大型輸入船に対応した水深の確保が必要となっています。そこで、中野地区における貨物の混在の解消や大型貨物船の喫水調整等による非効率な輸送を解消し、効率的かつ安全な輸送とするため、宮城県と連携して水深14m岸壁を有する国際物流ターミナルの整備を行っており、今年2017年の供用を目指し、舗装工事等の最終段階に入ってます。

 塩釜港区では、1959年に供用を開始した貞山1号岸壁の老朽化が進んでおり、予防保全事業として水深9m岸壁の工事を進めています。今年度はケーソン製作等を石巻港区のケーソンヤードで実施しています。

 石巻港区では港内静穏度の確保による船舶の安全な航行や安定した岸壁荷役のため、東西にのびる雲雀野地区南防波堤の延伸を進めており、西側は昨年11月に概成しました。現在、東側への延伸として地盤改良工事を実施中です。
 震災前に比較してまだ十分に回復されていない貨物として農水産品等がある一方、仙台港区のコンテナ貨物は2016年の取扱量で24万6千TEUとなり、震災前の14%増と過去最高値を更新しています。その他、完成自動車、ゴム製品、石油製品、フェリー貨物等も震災前に比較して増加し、特に仙台港区は活況を呈している状況です。

 仙台空港では、2015年にLCC対応の駐機場の整備等を行い、現在、引き続き滑走路の耐震改良を実施中です。
 2016年7月、仙台空港では国管理の空港として、全国で初めて民営化されました。東北の空を世界の空へ、仙台国際空港株式会社はこの目標にむかって航空路線の拡充やターミナルサービスの向上等様々な取り組みを進めています。

 当事務所では、仙台塩釜港と仙台空港の必要なインフラ整備を着実に実施していくことにより、東日本大震災の復興につながり、また、港や空港の人や物の流れが東北地域全体の活力につながるように取り組んで参ります。

平成29年3月1日

東北地方整備局 塩釜港湾・空港整備事務所長

【参考:震災前からの取扱貨物量等の推移】


仙台港区 取扱貨物量
単位:万トン


塩釜港区 取扱貨物量
単位:万トン


仙台港区 コンテナ取扱貨物量
単位:万TEU


石巻港区 取扱貨物量
単位:万TEU

※宮城県港湾統計より

 


仙台空港 旅客数
単位:万人


仙台空港 取扱貨物量
単位:トン

※航空局空港管理状況調書より