1.『寄港地「秋田」の魅力をお届け!AKITAクルーズレポート』
第2話 『なぜクルーズ船受入環境整備に力を入れ始めたのか』
みなさん、こんにちは!
第1話では「クルーズ船」「クルーズ旅行の種類」「クルーズ船内」「オプショナルツアー」の4つの分類に分けてクルーズ旅行(クルーズ船)についてお伝えしました!第2話では、クルーズ船受入環境整備に力を入れ始めた理由を皆様にお伝えしたいと思います!
よろしくお願いいたします。
2.世界のクルーズ市場
最初に世界のクルーズ市場の状況をお伝えします。
図-1から、2005年1,374万人だった世界のクルーズ人口が12年後の2017年には2,675万人と約2倍の人口になっていること。特にアジアでは2005年76万のクルーズ人口が2017年には約5倍の406万になっており、世界的に見てもクルーズ市場が伸びていることが分かります。
3.日本のクルーズ需要
次に日本のクルーズ需要をお伝えします。
日本のクルーズ需要は年々伸びています。2017年には訪日クルーズ旅客数が過去最高の252.9万人(前年比27.0%増)となりました(図2参照)。ちなみに我が国ではクルーズに関する新たな目標として2016年3月に策定された「明日の日本を支える観光ビジョン」にて「訪日クルーズ旅客数を2020年に500万人」を掲げています!
図-2 訪日クルーズ旅客数
また、クルーズ船寄港回数は2018(1月~11月集計)年2,779回(外国船社1,846回、日本船社933回)となり過去最高となりました(図3参照)。
図-2、図-3の伸びからも、日本のクルーズ需要が年々高まっていることが分かります。
4.港別のクルーズ船寄港数
2017年にクルーズ船が寄港した港湾の数は、全国で131港でした。そのうち、大型クルーズ船(10万総トン数以上)が寄港した港湾は28港でした。表-1に2017年クルーズ船の寄港回数(上位5港)を示しています。第4位の横浜港以外は九州・沖縄地方の港が上位を占めています。
表-1 2017年クルーズ船寄港回数(上位5港)
5.なぜクルーズ船寄港回数は九州地方が多いのか?
九州地方のクルーズ船寄港回数が多い事に関しては、アジア(中国・香港・台湾など)のクルーズ市場の拡大とアジア人(日本除く)のクルーズ旅行の主要形態が関係していると思われます。アジア主要国のクルーズ船平均滞在日数は日本の6.5泊に比べて台湾が3.8泊、中国が5泊中国と短い日数になっています(表-2参照)。日本のようにクルーズ船滞在日数が長い場合、日本1周クルーズ旅行や遠方地域までのクルーズ旅行を楽しむことができます。台湾や中国のようにクルーズ船滞在時間が短い場合は、遠方まで行かずに近場の九州地方に寄港するツアーが多くなります。そのため九州地方のクルーズ船寄港回数が多くなることになります。今後の予想としては、アジア(日本除く)のクルーズ船滞在日数は長くなると予想されています(平成30年度秋田県港湾協会講演会より)。その場合、九州地方に集中して寄港していたクルーズツアーの寄港地が広範囲になると考えられます。したがって、秋田においてもクルーズ船の寄港回数が増える事が想定されることから、クルーズ船受入についての整備が必要となります。
表-2 発着国別クルーズ船平均滞在日数
6.寄港による経済効果
一般的にクルーズの寄港地では乗客1人当たり1万円の経済効果があると言われています。2014年8月に竿灯祭りに合わせて大型外国船のダイヤモンド・プリンセス号が初寄港しました。その時、貸切バスや桟敷席、弁当などの費用を含めて約2,000万円の経済効果があったと言われています(2015年2月11日魁新報経済4面より)。1回の寄港で約2,000万円の経済効果は凄いですね!また、秋田県に寄港してもらうことで、秋田県の観光・文化や食べ物などの魅力を多くの方にお伝えすることができます。このように、経済効果と魅力発信が同時にできるためクルーズ船受入環境に力を入れています。
7.最後に
第2話では、世界と日本のクルーズ市場や経済効果より「なぜクルーズ船受入環境に力を入れ始めたのか」を書かせて頂きました!次回、第3話では秋田県秋田港を例に「クルーズ船受入環境整備」についてお伝えしたいと思います。
☆===================第2話POINT===================☆
アジアのクルーズ市場の動きと経済効果に期待が持てるためクルーズ船受入に力を入れている
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