- はじめに
みなさん、こんにちは!
前回は防波堤が、“基礎となる土台”と“ケーソンという鉄筋コンクリートの箱”から出来ていることを学びましたね。
今回は、防波堤をつくる作業の第一弾!
潜水士によって海底に土台(基礎工)を造るポイントについて学んでいきましょう☆ - まずは、土台に使う石を投入
土台は、 “海の中に1個200~500キロ(秋田港第二南防波堤の場合)の石を投げ入れ、2m以上の厚さで形を造り、上面は±5cmに均し、まるでお城の石畳のように平らに整えること”を前回学びましたね。
たくさんの石を投入するには、「ガット船」と呼ばれるクレーン付きの船が使われます。
石は、岸壁でクレーンを使って船に積み込み、防波堤をつくる場所まで運び、海中に投入します。▲ガット船を使った石投入の様子(今年施工した秋田港第二南防波堤) - 海中で作業する「潜水士」
石を投入したあと、形を整える作業で重要なのが「潜水士」です。
日本での「潜水」の歴史は、人間が息をこらえて潜水する「素潜り」が古代から行われており、その技術は「海女」に引き継がれています。
その後、近代まで素潜りの時代が続き、1857年(安政4年)に初めてヘルメット潜水器が導入されました。いまや潜水作業は、港湾の整備や海底のトンネルの整備、エネルギー供給のパイプライン整備などには、なくてはならないものとなっています。
潜水士の装備にはいくつか種類があり、秋田港では主に「フーカー式」が用いられています。
フーカー潜水用具は、圧力調整機器、マスク、潜水服、足ひれ、ウエイト、水中ナイフ等により構成されます。
フーカー式は、消費する空気量が少なく、運動機能が高いのが特徴です。その他、潜水装備として最も歴史のある「ヘルメット式」やスポーツダイビングにも使われている「スクーバ式」などがあります。
一方、海中で作業する潜水士は、「潜水病」に気をつけなければいけません。
※減圧とは・・・海中などの高圧下での作業を終えたあと、すぐに浮上せず除々に浮上することで、気圧の変化に身体を慣らすことです。
秋田港第二南防波堤での潜水作業は、最大で-24mの大水深となる為、潜水士1人あたりの1日にできる作業時間は、約2時間しかありません。
作業効率を上げるために、秋田港では潜水士の人数を増やすなど工夫して潜水作業の日数を短縮しています。
▲海中での潜水作業の様子このような潜水士さんたちによって、±5cmという精度の高い土台が形成されています。
▲±5cmで整えられた土台
========= 今日のおさらい =========
海底の土台造り(基礎工)に欠かせないキーマン
「潜水士」
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参考:一般社団法人 日本潜水協会ホームページ