港を守る防波堤
更新日:2025年2月12日
防波堤(ぼうはてい)とは?
防波堤は、外洋から打ち寄せる波がそのまま港に入ることを防ぎ、港の中を穏やかにするための施設です。港の中が穏やかになることで、船が安全に航行したり、荷物を積み下したりすることができます。一般的によく見られる防波堤は、ケーソンと呼ばれる鉄筋コンクリート製の箱を海中に並べて作られます。

酒田港の主な防波堤
酒田港には、北防波堤、第二北防波堤、南防波堤という大きな3つの防波堤があります。南防波は完成しており、北防波堤と第二北防波堤では、改良工事や延伸工事が行われる計画となっています。

防波堤の構造(酒田港 第二北防波堤)
防波堤は、石を敷いた土台と、「ケーソン」と呼ばれる鉄筋コンクリートの箱、ケーソンの上に設置する「上部コンクリート」などからできています。「根固ブロック」と「被覆ブロック」は波の力でケーソンが動いたり、基礎捨石が流出したりすることを防ぐ働きがあります。
防波堤の効果
次の写真では、防波堤の効果を見ることができます。どちらの写真でも、防波堤の内側(港内側)では、穏やかさが保たれている様子が確認できます。航路や泊地の波の穏やかさの度合いを静穏度(せいおんど)と呼び、安全に船が航行したり、停泊することができるか判断するための指標として使われています。


しかし、ケーソンを設置しただけの防波堤では、台風や冬季の波浪を防ぐことは難しく、波が防波堤を越えて港内に入り込んでしまいます。これを「越波(えっぱ)」と呼び、この越波を防ぐために、防波堤の「かさ上げ工事(上部工の施工:じょうぶこうのせこう)」や「消波ブロックの設置」などが行われます。
左の写真は、上部工の施工を行った位置では越波は起こっていませんが、ケーソンのみを設置した位置では越波が起こっている状況がわかります。
右の写真は、クレーンを装備した作業船(起重機船:きじゅうきせん)で消波ブロックを据え付けている様子です。
消波ブロックには、波を分散させ、防波堤に当たる波の力を弱める効果があります。