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酒田港で行われている工事 その1 ー ケーソン製作 ー

更新日:2025年3月12日

ケーソンとは?

ケーソンとは、防波堤や岸壁の本体(または構造物)となる鉄筋コンクリートでできた箱のことです。一般的によく見られる防波堤は、このケーソンをいくつも並べて作られています。

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ケーソンの作り方

ケーソンはどのように作られているのでしょうか。酒田港の防波堤に使われているケーソンの製作工事について紹介して行きます。紹介する工事は令和5年(2023年)に行われました。製作したケーソンは、7層のコンクリートで構成され、3層までをフローティングドックの上で、4から7層を海上で「海上打継(かいじょううちつぎ)」という方法で製作しています。

 工程:「➀フローティングドック上でのケーソン製作」→「➁ケーソン進水」→「➂ケーソン仮置」→「➃海上打継かいじょううちつぎ」→「完成」

➀フローティングドック上でのケーソン製作(1から3層)

接岸したフローティングドック上で、ケーソン下部(1から3層)を製作します。フローティングドックは鋼製で凹型(おうがた)をした大きな作業台船で、海上に浮かせたまま船舶やケーソンなどを製作、修理することができます。船内のタンクに海水を注排水することにより、船体を沈めたり浮かせたりさせ、船舶やケーソンなどを出し入れします。フローティングドックの上に1層ずつ鉄筋と型枠を組み立て、コンクリートを流し込みします。コンクリートは、陸上のミキサー車から、ホースと圧送車を使って、船上まで送られます。

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➁ケーソン進水(水に浮かべる)

フローティングドックで作ることができるケーソンの高さに限界があるため、「海上打継場(かいじょううちつぎば)」まで運びます。船体を沈ませると、箱型で中が空洞のケーソンは浮かび上がり、浮かんだケーソンを船で引いて海上打継場まで運びます。

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➂ケーソン仮置

海上打継場では、ケーソンを海底に着底させてからケーソン上部(4から7層)を作ります。船で運ばれてきたケーソンが海上打継場に到着すると、空洞部に海水を入れ、海中に沈めることで仮置きします。

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➃海上打継(かいじょううちつぎ)(4から7層)

海上打継は、海中に沈めて仮置きしたケーソン上に足場を組み、鉄筋と型枠を組み立て、コンクリートを流し込んでケーソン上部を製作する方法です。今回の工事では、4、5層目を海上打継した後に、再度より深い場所に仮置きし、6、7層目を海上打継して完成となりました。完成したケーソンは、防波堤となる長さが約27m、港外側から港内側までの幅が約25m、高さが約20m、重さが約6,100トンもあります。

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