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酒田港で行われている工事 その2 ー 防波堤の築造工事 ー

更新日:2025年3月13日

防波堤の築造工事(ちくぞうこうじ)

一般的によく見られる防波堤は、ケーソン式防波堤と呼ばれ、ケーソンと呼ばれる鉄筋コンクリート製の箱を海中にいくつも並べて作られます。酒田港にある防波提もこのケーソン式防波堤で、「第二北防波堤」では、防波提を延伸する築造工事が行われています。第二北防波堤は計画されている長さ1,560mの防波堤で、令和7年3月現在で、1,460mの長さとなっています。
今回は、第二北防波堤にケーソンを設置する築造工事について紹介します。

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工事の流れ


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➀基礎工(きそこう)

海底に基礎捨石(きそすていし)を並べ、ケーソンを設置するための土台を作ります。
ガット船と呼ばれる砂利や石材などの重量物を運ぶ船で、基礎捨石を海中に投入し、潜水士が平らに並べます。
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➁本体工(ほんたいこう)
ケーソン仮置場にあるケーソンを第二北防波堤の据置位置まで運び、沈めます。

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  • ケーソンの浮上
    仮置きしているケーソン空洞部の海水をポンプで排水し、ケーソンを浮上させます。
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  • ケーソンの運搬
    浮上したケーソンを船で引っ張り、据付位置まで運びます。
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  • ケーソン据付
     ケーソンの空洞部に海水を注入し、基礎捨石で作った土台の上に据付けます。
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  • 中詰材の充填
     ケーソン内部に中詰材(砂や砕石)を入れ、重くすることで波の力に耐えられるようにします。中詰材を入れ終わると、上部をコンクリートで蓋をします。
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➂被覆・根固め工(ひふく・ねがためこう)
根固ブロック、被覆ブロック、被覆石をケーソン周辺に配置します。

根固ブロック:防波堤の土台となっている基礎捨石が激しい波の勢いで削り取られたり、流出してしまうことを防止するために、ケーソンを囲むように設置します。
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  • 被覆ブロック:ケーソンに打ち寄せる波の流れで、基礎捨石が流出することを防ぐために港外側に設置します。
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  • 被覆石:基礎捨石が、防波堤を越えてきた波で飛ばされることを防ぐために、港内側に設置します。
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➃上部工(じょうぶこう)

据付したケーソンの上部に、鉄筋コンクリートの工作物を製作し、防波堤のかさ上げを行います。
コンクリートで蓋をしたケーソン上部に型枠を設置し、コンクリートミキサー船でコンクリートを流し込みます。防波堤に打ち寄せる波の力を和らげたり、防波堤の安定性を高めるため、港外側が斜めになっています。
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第二北防波堤は今後も伸ばしていきます。また、順次更なる上部工のかさ上げを行っていく予定です。