酒田港と再生可能エネルギー
更新日:2025年8月7日
再生可能エネルギーとは?
日本の法律上は、「太陽光・風力・水力・地熱・太陽熱・その他自然界に存在する熱およびバイオマス」が再生可能エネルギーと定義されており、温室効果ガスを排出しないエネルギー源として注目されています。酒田市臨港部には、陸上風力発電や太陽光発電、木質バイオマス発電といった再生可能エネルギーを利用した発電施設が複数立地しており、近隣の遊佐町沖で進む洋上風力発電事業で、洋上風車を建設するため岸壁(基地港湾)の整備も進んでいます。このように、酒田港は再生可能エネルギーの拠点として重要な役割を果たしています。今回は、酒田港周辺に立地する再生可能エネルギー発電施設について紹介します。酒田港の再生可能エネルギー発電施設

陸上風力発電施設
酒田港周辺には風力発電用の風車が9基設置されています。建設時は風車部材の多くが酒田港から荷揚げあれました。1基当たりの最大発電容量はおよそ2,000から3,000kw(宮野浦海岸にある風車は小型で600kw)で、合計約17,000kwの発電能力があり、これは一般家庭 約5,000世帯分の年間電力消費を賄うことができる発電量になります。また、新たに大型化した5基の風車が北港地区から宮海海岸で建設中です(2025年7月時点)。酒田港にある陸上風車の大きさは羽の先を入れると約120mあります。遊佐町沖に建設予定の洋上風力発電用の風車は羽の先まで約250mあり、丁度2倍程度の大きさになります。
太陽光発電施設
(株)酒田港リサイクル産業センターが、2013年9月に出力約1,200kwの太陽光発電施設を建設しました。その後、ジャパン・リニューアブル・エナジー(株)と酒田メガソーラーパーク合同会社を設立し、7,560枚だった太陽光パネルは約20倍の163,680枚に増設され、2018年4月に最大発電容量約28,500kwの太陽光発電所として運転を開始しています。一般家庭約8,600世帯分の年間電力消費を賄うことができ、年間約17,200トンのCO2排出削減効果が見込まれています

バイオマス発電施設
バイオマス発電のメリットは、風力や太陽光と違い、自然エネルギーに依存しないため安定して発電を行えるところです。また、カーボンニュートラルな燃料とも言われています。その理由は、大気中の二酸化炭素を吸収した木材から燃料となる木質ペレットやチップは作られるため、それを燃料として燃やしたとしても、発生した二酸化炭素は元々あった大気中へ還るだけなので、大気中の二酸化炭素濃度に影響を与えないからです。
酒田港周辺には、北港地区と遊佐町の鳥海南工業団地にバイオマス発電施設が立地しています。どちらも木質ペレットやPKS(パーム椰子殻)などを燃料として発電を行う木質バイオマス発電所で、既に商業運転を行っています。2つの施設を合わせると100,000kwを超える発電出力になります。

燃料になる木質ペレットは、酒田港へ船で海外から輸入されます。木質ペレット専用船でカナダやベトナムから輸入され、古湊ふ頭で荷揚げされてトラックで貯蔵施設まで運ばれます。

