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                                                       平成29年3月1日   

                      東日本大震災から6年を迎えて

              東北地方整備局 仙台港湾空港技術調査事務所

  川村 浩


  東北太平洋沿岸を中心に甚大な被害をもたらした東日本大震災から6年が経過します。震災で被害に遭われた方々に改めてお悔やみ・お見舞いを申し上げますとともに、復旧・復興に懸命に取り組まれておられる皆様に敬畏の念を表します。

 当事務所は、管内の港湾・空港関係の国直轄事務所の技術支援を行うため、各種の調査・設計・技術開発を行っています。東日本大震災では、港湾施設や空港施設の災害復旧事業や復興事業に係る構造物の設計業務を中心に取り組んで参りました。

災害復旧事業では、 太平洋側8港湾(八戸、久慈、宮古、釜石、大船渡、仙台塩釜、相馬、小名浜)及び仙台空港の、合わせて100を超える施設について、被災原因究明や復旧断面の設計を迅速に行う必要がありました。そのため、東北管内や全国の整備局等から設計に精通した職員の応援(一時、職員数が震災直前の15倍に!)や、国土技術政策総合研究所や港湾空港技術研究所のご指導を仰ぎつつ、職員一丸となって全力で取り組み、その後の災害復旧事業の早期完成に寄与できたと考えております。

また、復興事業では、小名浜港の国際バルク戦略港湾関連施設、相馬港や八戸港のLNG関連施設、仙台塩釜港の国際物流ターミナル施設などの、東北地域の経済活動や我が国のエネルギー安定供給を支えるプロジェクトに関する調査・設計に取り組みました。

さらには、港湾業務艇(海上工事監督等に必須)の建造や修理、波浪・潮位観測施設や作業ヤードの復旧・メンテナンスを通じて、管内事務所の円滑な事業遂行に貢献してきたところです。

当事務所では、今後とも、東北管内の港湾や空港の施設整備等に関する技術センターとしての役割を果たしていきます。地域のニーズに的確に対応できるよう、業務を進めていきたいと考えておりますので、引き続きご指導のほどよろしくお願いいたします。

 

【東日本大震災から6年を迎えて仙台技調の主な取組】

   年   度

 仙台技調の主な取組

  平成22年度

 港湾施設の被災状況調査

  平成23年度

 波浪観測施設の復旧

 

 仙台空港における被災施設(滑走路、誘導路、エプロン)の復旧設計

 

 被災ケーソンの再利用設計

  平成24年度

 GPS波浪計陸上局の衛星通信及び非常用電源設備増強

 

 強震計観測施設の復旧

 

 津波に対する湾口防波堤の安定性検証

  平成25年度

 港湾業務艇建造(4隻)

 

 仙台塩釜港仙台港区向洋地区岸壁の復旧設計(平成23年度~)

 

 釜石港及び大船渡港の湾口防波堤復旧設計(平成23年度~)

  平成28年度

 防波堤基礎マウンドの津波に対する安定性の解析(平成26年度~)

 

 仙台塩釜港仙台港区向洋地区岸壁の設計

 

 小名浜港東港地区岸壁の設計(平成27年度~)

     

 

     gyoumutei.jpg            antena.jpg       △港湾業務艇4隻の建造                                          △GPS波浪計陸上局の衛星通信設備増強                                                                                       (パラボラアンテナの設置)

     burokkusuetuke.jpg             keson.jpg       △設計成果を活用した工事                                       △設計成果を活用した工事                                                        (釜石港:逆T型ブロック設置)                     (相馬港:被災ケーソンを浮上させ再利用)