東日本大震災から10年を迎えて
更新日:2021年6月3日
2011年3月11日に発生した東日本大震災から10年の歳月が経過します。ここに、改めて犠牲になられた多くの方々にお悔やみを申し上げますとともに、未だ不自由な生活を強いられている方々に心よりお見舞い申し上げます。
今年は震災発生から10年の節目の年となります。沿岸地域を見ると、震災の傷跡は表面上では癒えたような風景に見えますが、被災された皆様の心情を推し量れば、未だ手の届かぬ所も多いものと思われ、塩釜港湾・空港整備事務所といたしましても、東日本大震災の残した影響を少しでも拭い去るべく、引き続き復興・防災事業の推進に全力を挙げて取り組んで参ります。
県内各地域が被災から立ち直り、以前にも増した経済活動の鼓動が響き始めたように感じておりましたが、残念ながら、今年は世界的なコロナウイルスの流行により、日本経済だけでなく世界経済全体が落ち込んでいる状況にあります。コロナの苦難もまた大変なものでございますが、地域の皆様と共にこの状況を克服すべく尽力して参りたいと思います。
塩釜港湾・空港整備事務所では、仙台塩釜港(仙台港区、塩釜港区、石巻港区)と仙台空港の復旧事業を2013年度に完了させ、引き続き復興事業等に取り組んでいるところです。東日本大震災では、東北地方太平洋岸の各港と同様、仙台塩釜港も甚大な被害を受け、取扱貨物量も震災直前の約7割まで激減しましたが、取扱貨物量も順調に回復し、コンテナ貨物量においては2019年には震災前の3割増しの約28万9千TEUと、過去最大の取扱量となりました。
残念ながらコロナウイルスの影響により2020年の貨物の取扱量は若干の減少が見られましたが、コロナ収束後には経済活動も活気を取り戻し、貨物の取扱量も回復するものと考えております。仙台港区では高砂コンテナターミナルのふ頭再編改良事業を進め機能拡充を図っているほか、塩釜港区においては2020年に貞山1号岸壁の整備が完了、石巻港区においても船舶の安全な航行を確保するため雲雀野地区南防波堤の整備を進めているところです。これらの港湾整備事業が地域の人の生活・経済発展を支えるものとなるよう、引き続き取り組んで参ります。
また、仙台空港においてもコロナウイルスの影響により、人の移動が制限されたことで、国際線は全便、国内線においても一部で運休が続いておりますが、コロナ収束後を見据え、2月10日には仙台空港の24時間化に向けた、宮城県と地元の岩沼・名取両市による覚書が締結されました。今後、東北初の24時間空港が実現することで、航空便数の増加やコロナ収束後の交流人口の増加が期待されており、東北の空の玄関口として更なる発展を目指します。また、仙台空港は災害発生時には緊急物資の輸送拠点としての役割も担うため、住民の安心・安全を確保する機能を果たすべく、災害に強い空港づくりを進めて参ります。
塩釜港湾・空港整備事務所では、引き続き仙台塩釜港及び仙台空港の整備や振興活動を通じて、被災地域の復興、東北全体の飛躍につながるよう取り組んでまいりますので、今後とも皆様のご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
令和3年3月10日
東北地方整備局 塩釜港湾・空港整備事務所長 谷川 晴一
現在の仙台塩釜港・仙台空港
仙台塩釜港(仙台港区)
仙台塩釜港(塩釜港区)
仙台塩釜港(石巻港区)
仙台空港