東北港湾の技術開発ビジョン/1.東北地方の21世紀における港湾の構想
1.3各地域のみなとが抱える問題

 東北地方の各みなとの更なる発展に貢献するためには、みなとを利用している需用者の視点から見た、現在の港湾施設への課題及び問題の改善も併せて進めていく必要があります。

図1.アンケート回答者の港湾需用者割合

 そこで、各地域のみなとが抱える問題を確認する目的で、東北地方の港湾需用者(※)へのアンケート調査を実施しました。

※港湾需用者…
港湾管理者、港湾所在市、港湾利用者、港湾運送業者、パイロット、タグボート、定期航路等及び、直轄事務所も含む
図1.アンケート回答者の港湾需用者割合

 アンケートの結果、需用者の視点から見た各地域のみなとが抱える問題としては、表1に示す意見が得られました。

表1.各港湾需用者からのアンケート意見等
名称 意見等
港湾管理者
  • 長周期波対策(港内静穏度の向上)
  • 港湾施設の老朽化に対する復旧工法、延命化対策
港湾所在市
  • 港内静穏度の向上
  • 港湾施設の老朽化に伴う維持管理・補修等の実施
  • 情報ネットワークの構築(国、管理者、自治体など共有出来るもの)
港湾利用者
  • 港内静穏度の向上(うねり対策、防波堤等の早期整備)
  • 水深の確保
港湾運送業者
  • 荷役の背後スペースが狭いので対応してほしい。
  • 港湾施設の多くが老朽化しており対策をしてほしい。
  • 使用料が高い。
パイロット
  • 照明が不足し、夜間入港に不安を感じるため、整備してほしい。
  • 係留索のビット位置の見直しを検討してほしい。
  • 航路の水深、幅員の確保をしてほしい。(喫水調整をして入港している)
タグボート
  • 防舷材の損傷が多いので、維持管理(補修)等の基準を検討してほしい。(設置基準の見直しも含めて)
定期航路
  • 航路ブイが小さく、気象状況が悪い場合レーダーで感知出来ないため、検討してほしい。

 上表に示すとおり、東北地方の港湾需用者の視点から見た各地域のみなとに共通している問題には、「港内静穏度の向上、既存施設の有効活用(維持管理・補修方法、老朽化対策、航路水深の確保)等」がありました。
 この結果を踏まえ、「東北港湾ビジョン」の実現を目指すに当たっては、これらの問題の改善にも並行して取り組んでいきます。




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