ホーム > ミユのおしえて!「みなと」のつくり方 > ケーソン据付現場を紹介します!~秋田港の第一線防波堤~

 

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1.はじめに

みなさん、こんにちは!

今回は、私が初めて見ることができた現場について紹介したいと思います。

 

なにかというと・・・タイトルにもあるように防波堤の本体であるケーソンの据付現場です!

ケーソン据付に関しては、以前にも紹介したことがあるので、ぜひこちらもご覧ください。防波堤ができるまで~ケーソン設置編~

 

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2.現場へ向かいます

ケーソンの据付作業は早朝から行われます。

当日は、朝6時半に事務所へ集合し、“港湾業務艇あきかぜ”に乗り込んで現地へと向かいました。 

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今回の現場は、秋田港湾事務所から直線距離で約6.5㎞のところにある秋田港第二南防波堤の先端部です。

ここは、秋田港で一番外側にあたる場所です。

 

3.ケーソンのえい航

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  ケーソンは、ケーソン製作用台船(フローティングドック:通称FD)という作業船を使ってつくられます。

 製作されたケーソンが防波堤として据え付られるまでは、仮置場(かりおきば)に置かれているため、今回のえい航は、

 仮場から第二南防波堤の先端までとなります。


 えい航作業は、朝5時ころから始まっていたので、私たちは移動中のケーソンに追いつく形になりました。
回据え付けるケーソンは、幅24.4m、長さ30.5m、高さ23m、重さが約7,500トンありますが、中が空洞になっており浮力により海に浮かべることができるので、引船でえい航します。
   
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4.防波堤の先端へ到着

 朝7時ころ、ようやく第二南防波堤の近くまできました!空も明るくなってきました。

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防波堤先端へ近づいてきました!
防波堤上では、たくさんの作業員の方がケーソン据付の準備をしていました。

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引船でケーソンを両サイドからひっぱりながら、徐々に設置場所へと移動します。
写真には映っていませんが、下のように右側にも引船がいます。)

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ケーソンの左右の位置を防波堤に合わせることができました。

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しかし、まだ防波堤とケーソンの間が空いているので、今度は起重機船を使って少しずつ防波堤の方向へと
移動させていきます。


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 ケーソンはまだ海にぷかぷかと浮かんでいる状態です。
注水ポンプから海水をケーソンの中に入れて、ケーソン自体を沈めながら、ケーソンの位置を調整していきます。

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5.据付作業

 これからは、ケーソンの位置を微調整していきます。

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 私も、今回初めて見ることができたのですが、ケーソンの据付にはたくさんの計測機器が使われています。
例えば、ケーソンの中に入れる海水の量を管理できる機器です。これによって、ケーソンを水平に保つことができます。

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  他にも、ケーソンの四隅に付けられたセンサーで、位置状況を確認することができる機器や、

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ケーソンの下部に取り付けられたカメラによって、海底での状況がリアルタイムで分かる機器、

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ケーソンの設置状況を上空から確認できるドローンなどが活躍していました。

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 午前11時ころ、ケーソンが着底する作業までを見届けて、私は事務所へと戻りました。
今回、初めてケーソンのえい航から、据え付けまでの作業を見ることができて、港湾工事のダイナミックさを感じました。
そして、海の工事は、巨大な施設だけれど、最新の技術を使いながら繊細な作業が行われているのを目の当たりにし、
『こうして安全な港が整備されているんだ!』ということを改めて感じました。


6.おわりに

この日、無事に据え付けられたケーソンでは、すぐさま次の作業である中詰材(なかづめざい)の投入に取りかかりました。
海水を入れて調整しながら据え付けたケーソンに、本来の中詰材である砕石と入れ替える作業です。
その後、蓋コンクリート、上部コンクリートの打設、根固ブロック・被覆ブロックの据付を行って、今年度の工事が完了となります。

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 平成29年度時点で、秋田港外港地区第二南防波堤の延長は約1,116m
第一線防波堤として、船の航行や荷役作業を安全に行えるように港内を穏やかに保つという、
秋田港を守る役割を担っています。