石巻港地盤改良

カキ殻の有効利用

冬の味覚として親しまれている「カキ」。石巻地方は全国有数の「カキ」の産地として知られています。しかし、この特産品から発生するカキ殻の処理に、地域の人たちは大変苦労しています。そこで石巻港では、困りもののカキ殻の有効利用を図るためカキ殻を細かく砕いて砂と混ぜ合わせて、地盤改良材として使用しています。また、平成4年度以来、平成23年度末までのカキ殻の使用量は約20万㎡となっています。
冬の味覚「カキ」

防波堤の製作プロセス

[防波堤を柔らかい土の上につくるために]

石巻の海の底は、柔らかい土が堆積しています。そのまま、防波堤を作ってしまうと沈んでしまうため、まず、この地盤を固くすることから始めます。

地盤改良船を使って、海底地盤の中に砂の杭を打ち込んで、締め固めていきます。(イラスト1)

[潜水士が手作業で土台づくり]

地盤が固くなったところで、防波堤が大きな波に耐えられるよう、石材運搬船で石を投入し、堅固な基礎を造ります。(イラスト2)

この基礎は、潜水士が水中にもぐって、1個ずつ噛み合わせを見ながら平らにならし、台形の土台を造る事によりできあがります。(イラスト3)

[重くどっしりした防波堤が完成]

そして、土台の上にケーソンを引き船で引っ張り、正しい位置に据え付けます。

その後、ケーソンの中に砂を詰め、コンクリートでふたをします。そして、ケーソンの周りの石が波で削られないよう、根固ブロックをおき、さらに基礎石が崩れないように、より大きい被覆石を隙間ができないよう入れ、きれいにならしていきます。最後に、ケーソンの上に上部コンクリートを打設し、完成となります。


イラスト1

イラスト2

イラスト3