港は世界に開かれた海の玄関ですが、津波や高潮など自然災害を受ける場所でもあります。特に東北地方は、地震による津波被害を何度も経験してきました。そのため防波堤の整備や耐震強化岸壁の整備、馬淵川から流下してくる土砂をさらう航路・泊地埋没対策などがなされています。
ただし、それらの整備も、最近は環境を考え材料にリサイクル資源を使用するケースがふえてきました。八戸港では、ステンレス鋼の原料となるフェロニッケル製造工程で発生するフェロニッケルスラグを利用した消波ブロックを使用しています。また、資源リサイクルの物流を「静脈物流」といいますが、八戸港から主に中国に向けて鉄くずが輸出されています。
さらに、環境と共生する港湾(エコポート)でいえば、毎年、家庭や事業所から出るゴミの約3千万立方メートル(東京ドーム約25杯分)が港湾開発に利用され埋立てられており、八戸港のポートアイランドでは2期計画約50haのうち約21haを港内浚渫土砂受入用地として浚渫土砂を投入しました。埋立地には緑地が整備されたり、専用の海釣り施設をつくったり、市民が気軽に快適に利用できる親水空間ができています。
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